甘草(カンゾウ)|薬草図鑑
甘草(カンゾウ)は、Glycyrrhiza uralensis(ウラルカンゾウ)またはGlycyrrhiza glabra(スペインカンゾウ)の根・ストロンを基原とする生薬です。甘味の主体として知られるグリチルリチンを含み、単独で使うというより、多くの漢方処方の中で他の生薬と組み合わせて使われる点が大きな特徴です。


🌿 基本情報
| 分類 | 生薬・薬草 |
|---|---|
| ポイント | 植物としての特徴と、生薬としての利用を分けて考えます。 |
📖 どんな植物?
甘草はマメ科の多年草です。薬用にするのは地上の葉ではなく、主に地下の根とストロン(地下茎)です。生薬は乾燥した根・ストロンを用い、外面は暗褐色~赤褐色、味は明確な甘味があります。日本薬局方では基原植物とグリチルリチン酸の含量が規定されています。
🧪 生薬として
甘草は、漢方処方の味や全体の調和に関わる生薬として非常に多くの処方に配合されています。国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所のデータベースでは、かぜ薬、解熱鎮痛消炎薬、鎮痛鎮けい薬、鎮咳去痰薬、健胃消化薬とみなされる各種処方への配合が記載されています。代表例として葛根湯、甘草湯、芍薬甘草湯、補中益気湯、半夏瀉心湯などがあります。
🏺 伝統的な利用
甘草は中国・日本の本草・漢方文化で長く利用されてきました。現代の日本では、甘草そのものを家庭薬として自己判断で大量に摂るというより、医薬品として品質管理された生薬・エキスの形で処方に組み込まれることが中心です。
🔬 成分について
主成分:グリチルリチン/グリチルリチン酸、リクイリチン、リクイリチゲニン、リコカルコンA・B、グラブリジンなど。特にグリチルリチンは甘草を代表する成分です。日本薬局方のカンゾウは乾燥物換算でグリチルリチン酸2.0%以上と規定されています。成分量は基原植物、産地、栽培・収穫条件などで変動します。
⚠️ 注意したいこと
薬草や生薬は「天然だから必ず安全」とは限りません。医薬品として使用する場合は、用法・用量、併用薬、体質などを考える必要があります。特に継続的に薬を服用している方、妊娠・授乳中の方、持病のある方は、自己判断で健康食品や生薬を追加せず、医師・薬剤師などに相談してください。
📚 この図鑑の方針
漢方薬どっとJPでは、古くからの植物文化と、現代の薬学・医学の情報を混同しないように整理していきます。歴史的な利用、現在の医薬品としての位置づけ、研究で報告されている内容は、それぞれ区別して紹介します。


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