『ホンゾウ・クロニクル』第5話「365の名前」

HONZOU CHRONICLE / EPISODE 05

第5話「365の名前」

「365」という数字を見つめながら、蓮は思った。

「この一つ一つに、名前がある。」

神農本草経は365種の薬物を記したとされる。そこには植物だけでなく、動物や鉱物なども含まれている。

蓮が面白いと思ったのは、薬効だけではなかった。古い本草の記録には、名前や性質、使われ方、産地など、薬物を知るためのさまざまな情報が含まれている。

蓮のメモ
「名前を残すって、未来の誰かに『これを見てくれ』って渡すことなのかもしれない。」

その頃、リリィも古い西洋の植物文献を開いていた。

東と西。ふたりはまだ直接会っていない。それでも、同じような問いを追いかけている。

「昔の人は、植物をどう見ていたのか?」

答えを探すには、植物の名前だけでは足りない。その植物が育った場所、人々の暮らし、そして記録した人間まで見なければならない。

蓮は次のページをめくった。

東の旅は、まだ始まったばかりだった。

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※登場人物と会話は創作です。歴史・本草に関する説明は確認可能な資料をもとに構成しています。

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